こんにちは!今回は「浴室」についてお話します。
新築や住宅改修、リフォームの際に浴室をどうしようかと悩む方が多いと思います。使いやすいく、快適なほうがいい。その為にはどうしたらいいんだろうと・・・。私の新築計画の経験と作業療法士としての経験に基づきお話していきます。
これを読んだ人は以下のことを頭の片隅に置いておくと良いと思います。
★結論「広く!段差無し!滑りにくい床!引き戸!手すり!付属品無し!ストレート」
①浴室は広く:浴室のサイズは一戸建てなら1616や1620など選べると思います。敷地や坪数の関係がありますが、1620はあったほうが良いと思います。その理由は①使う人が大柄な方の場合は洗い場で体を洗う時に壁に肘や手をぶつけてしまう可能性があります。そんな事で?と思うかもしれませんが、それを感じてしまったら最後、些細なストレスも毎日積み重なると快適なお風呂タイムもイライラが出てきてしまいます。 ②小さいお子さんがいる場合、洗い場で一緒に洗ったりしますよね。狭いとお風呂に入れる育児も大変に感じてしまいます。お風呂用のおもちゃの置き場やお風呂マットの置き場も考えておく必要があります。 ③高齢者になった場合、もしも介護が必要になった場合にこの広さというのはとても大事になります。どうしても自宅のお風呂で入浴したいという時は介助する人と入浴をすることになります。本人と介助者が洗い場にいると、大人二人なのでとても狭いです。そして浴室の椅子(シャワーチェアー)を置く必要も出てくるのでその分広さが必要になります。
②段差無し:いわゆるバリアフリーです。浴室に入る時に段差が無いことが一番安全で使いやすくて良いです。高齢者になると転倒に注意を払わなければなりません。転倒の原因の一つは段差なのです。段差があると浴室の出入りの時に滑って転ぶリスクが高いです。また段差を上がる時には躓く可能性も高いです。高齢者になると体幹や下肢筋力の低下やバランス力の低下、視力低下、視覚認知の低下(色、遠近感、形、距離など)と様々な要因で躓きや転倒する可能性があります。段差を無くすことで子どもや高齢者、そして現役世代の私たちも暮らしやすい環境に近づきます。
③滑りにくい床素材:各メーカーでお風呂の床は様々と商品があります。床面を滑りにくくする商品を選びましょう。転倒の原因の一つは滑りやすいことなのです。新築やリフォームの際にも注目しておくことをお勧めします。
④引き戸:これは快適性と安全確保の為に引き戸をお勧めします。「掃除するのが大変ですよ」とHMや工務店の営業の人は教えてくださいますが、扉を選ぶ基準はそれだけでいいんでしょうか? 例えば浴室の洗い場で人が倒れてしまった場合、開き戸や折れ戸では助け出すことが難しくなります。そして上記①にも関わりますが、広さの確保ができないということです。より一般的な場面では洗い場で人がいると開き戸や折れ戸では開閉が十分に出来ずに、時間差で遅れて入る人が入りにくいということになります。掃除する時に面倒になるかもしれませんが引き戸をお勧めします。
⑤手すり:これに関しては、高齢者になった時や体の状態に応じてあったほうが良いということになります。若い健常者であれば手すりは不要です。取り付け工事の手間を考えると初めから付けておいたほうが良いのかもしれません。私は取り付けませんでした。それこそ、高齢の要介護者になり、手すりがあったほうが良いとなれば取り付けようと思います。その際は介護保険サービスの住宅改修を利用するのが良いのではないかと考えています。現在、介護保険の住宅改修は1回きりですが(要件を満たせば2回目も可能)20万円の給付金が出ます。
⑥付属品無し:メーカーは様々な付属品(鏡、タオル掛け、棚など)を用意してくれています。とても役に立つものもあり、ありがたいです。しかし、私は採用しません。理由は、①本当に必要かか?という点です。デザイン的にはお洒落であったほうが良いと思うかもしれません。ただやはり、本当に必要か?と自問してほしいと思います。 ②好きなものが選べない点です。メーカーのオプションなので、これはこのメーカーも商品、あれはあっちのメーカーの商品と取り付けられません。それならば、自分で商品を探して後付けすれば良い。システムバスであれば、壁にマグネットの商品を取り付けられるようになっています。浮かせる収納というのもありますよね。 ③一度取り付けたら外せない点です。浴室工事の際に取付工事をしたら自分では外せません。取り付け場所をこっちに変えたいと思っても簡単には出来ないのです。現時点では良くても、高齢者になった時、背の低い人と高い人が使う時、子供が使う時、立って使う時と座って使う時と様々なシチュエーションで適切な位置は変わってきます。その時々に臨機応変に対応できるとよいと思います。
⑦浴槽はストレート型:浴槽の形は特殊なものを除けば、丸みを帯びた型(丸型)と四角いストレート型があります。丸型は体が包まれるようで気持ちが良いと思いますが、滑りやすい形状だと思います。ストレート型はそうでは無い為、包まれるような快適さはありませんが、安全にお湯に浸かれ、出入りもできると思います。また手すりの取り付けにも関連するのですが、介護用品には後付けできる浴槽手すりの商品があります。取り付け簡単なのでその日の内から使えます。大規模な工事をしなくてもいいのです。しかし丸みのある浴槽の縁には介護用品の浴槽手すりが後付けすることが出来ません。そういった理由でストレート型をお勧めします。
番外編
温度管理:寒いお風呂は嫌ですよね。あの扉を開けて入る瞬間「ヒヤッ」とする感覚。それを解消するには、入浴前にシャワーでお湯を出しておきましょう。そうすることで蒸気が浴室を包み、空気全体が暖まります(※眼鏡したままで入らないように注意しましょう)。そして床も冷たくないものを各メーカーから選ぶと良いでしょう。
さいごに
以上、浴槽についてのお話でした。全てが出来るわけではありませんが、このような考え方がありますという紹介でした。
皆さんの役に立つ内容であれば嬉しいです。
また見に来てください。
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